痛々しくて痛い
「う、うん」

「俺達はここに仕事に来てるんだぞ。カルチャーセンターの集まりじゃないんだから」

「うん…」


いちいちごもっともで、ただただ頷くしかない。


「まぁまぁ、慧人。もう、その辺で良いんじゃないのかな?」

「そうだよ。それこそ休憩時間がなくなっちゃうじゃん」


そこで染谷さんと颯さんが助け舟を出してくれた。


伊織さんは麻宮君を見つめたまま、何やら無言で考え込んでいる。


麻宮君は深いため息をついてから、話を進めた。


「もう、人形作りなんて止めろよ」


「……え?」

「そっちに夢中になりすぎて、疲れがなかなか取れないんじゃないのか?だからあんなポカをやったんじゃないのか?仕事に差し支えのある趣味なんて、本末転倒も良いとこだぞ」

「え。で、でも…」


唐突過ぎる主張に困惑しながらも、頭を整理しながら必死に言葉を繋ぐ。


「編み物はホント、私にとって、ストレス解消法なんだ。それができなくなったりしたら、余計に疲れが取れないかも」

「そういうとこにつけ込まれてるんじゃないのか?編み物に関する依頼をこいつが断る筈がないって。喜んで引き受けるに決まってるって。だから良いように使ってやれって、その相手に思われてるんじゃないのか?」


しかし麻宮君はますます厳しい表情になり、それに見合った声音で言い放った。
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