痛々しくて痛い
扉を閉めて施錠し、自分のデスクまで戻ると、エプロンとカーディガンを椅子の背もたれにかけ、順に身に着ける。


もうすっかり真々田屋のイメージカラーとなっている、お店の看板と同じ濃い紫色のエプロン。


全店舗共通の、いわば『制服』であった。


それ以外は私服なのだけれど、動きやすく、あまり華美な印象にならないもの、また、売り場に統一感を持たせるという事で、下はデニム素材以外のパンツか膝丈より長いスカート、上はシャツかブラウスの着用を義務付けられていた。


その決まりさえ守ればあとは自由である。


なので私は上はコットンの白シャツ、下は黒やベージュ等のオーソドックスなカラーのチノパンを身に付ける事が多かった。


もちろん、連日同じ服を着用している訳ではない。


たくさん所持している同じようなラインの服を、ローテーションで着回しているのだ。


それを自分の中での『制服』としてしまえば、毎日代わり映えの無い服装でも別に恥ずかしくはないし、コーディネートに頭を悩ませる必要もなくなる。


季節によって当然丈や素材は変わるけれど、基本的に一年中そのスタイルを貫いていた。


今日は出張だったし、着替えを用意するのも面倒だったので、チノパンではなくスーツのスカートで乗り切るつもりだけど。
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