痛々しくて痛い
もともと優れたビジュアルの人だったけれど、更に磨きがかかっていて、そんな人と間近で対話しているという状況に何だかとてもいたたまれなくなってしまって…。


端から見たら、さぞかしチグハグ感が半端ない二人なんだろうな~と思ったから。


実際『え?』という感じで私達を見ている人がチラホラいたし。


「あ。ちょっとこっちに移動するか」


麻宮君もその視線に気付いたようで、そう言いながら歩き出し、壁際まで私を誘導した。


ちょうど入口手前の微妙な位置で立ち話する格好になってしまっていたので、麻宮君はそれが原因で非難の目を向けられていると判断したようだ。


思わぬ事態にとっさにそこまで考えが及ばず、進路を妨害してしまった方には大変申し訳ない事をしてしまった。


ただ、私達の前に居た人も振り返って興味深そうに会話に耳を傾けたりしていたので、やはり『邪魔だな』という理由だけで注目されていた訳ではなかったと思う。


「すげー偶然。綿貫もここ受けてたんだ」


移動が完了し改めて対峙した所で、麻宮君は爽やかな笑顔を浮かべつつ話を再開した。


「入社試験はずっとグループ分けされてたみたいだから、偶然、ここまでかち合わずに来ちまったんだな」

「そ、そうですね」

「しっかし高校の同級生と就職先で再会するとは思わなかったよ。マジびっくり」

「わ、私も…です」
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