痛々しくて痛い
それでもまだまだ、社会人として、あるまじき対人スキルの低さだと思う。


もう少しスマートな対応ができるように、せめて端から見て見苦しくはならないように、精進して行かなければ。


「えっと、綿貫さんて、麻宮君と高校時代のクラスメートなんだよね?」


何て事を考え、心ここにあらずな私を洗面台の前から突き当たりの窓際まで誘導し、渡辺さんは会話を続けた。


「…え?」

「ほら、懇親会の時に話してたじゃない。私、たまたま近くにいたんだよね」

「あ…」

そうか、あの時か、とすぐに合点がいった。


私の方は周りに誰がいたかは記憶にないけれど、見ていた側の渡辺さんは当然、麻宮君と話していたのが私であるという事は把握できているだろう。


「3年間一緒だったの?」

「いえ。2、3年の時です」

「そっかー。あ、盗み聞きみたいなことしちゃってごめんね?」

「え?そ、そんなことは…」


大勢の人が周囲に居る事を承知の上で話していたのだから、それを聞かれたからといって文句を言う筋合いはない。


そして知られても別に私としては差し支えのない情報だし。


「確か〇〇高校って言ってたよね?麻宮君の出身は埼玉だし、もしかして埼玉県立○○高校のこと?」

「は、はい」

「あ、やっぱり!あそこの制服ってチョー可愛いんだよねー」

「そ、そう…かな?」
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