痛々しくて痛い
「綿貫さんに持ってきてくれるように頼んだんだー。同じ高校って言ってたでしょ?」

「そんで、1年生の時の麻宮君の写真も教えてもらったの。ホント、そこら辺の女子より可愛いんだもん」

「チョーウケるよねー!」


「マジかよ…」


ため息混じりにそう呟きながら、麻宮君は背負っていたリュックを肩から下ろすと、机の上にドサッと乱暴に置いた。


「最悪」


そして低いけれどよく通る声で、吐き捨てるように言葉を放つ。


それが大きく響き渡り、室内は一瞬にしてシン…と静まりかえった。


「人の容姿、おもしろおかしくイジって楽しいか?」

「え?」

「いい年してそういうノリ、すっげー不愉快なんだけど」


そこで麻宮君は私を見た。


「綿貫お前もさ、何で大人しくこいつらの言うこときいてるんだよ」


向けられた鋭い視線に、体がフリーズする。


「卒業アルバムなんか仕事に全然関係ねーし、邪魔だろ?俺ら、ここに遊びに来てる訳じゃないんだぜ?ちゃんと断れよ」

「あ、ご…」


「ごめんなさい」と慌てて言葉を続けたけれど、麻宮君はそのままぷいっと顔を背け、足早に会議室を出て行ってしまった。


「めずらし…」

「麻宮がキレた…」


彼と席の近い男子が、出入口の方を眺めながら呆然とした表情で呟いている。
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