Assassins
天罡星三十六星
「ひでぇ有様だな」

翌朝。

百八星の刺客達の累々たる屍を前に、倉本と巽は佇む。

既に現場検証は始まり、鑑識がやって来ている。

殺害された暗殺者達の身元を調査しているが、全員が全員、どこの誰とも分からない人間の戸籍を買い取った者だったり、酷い者になると数年前に死亡届を出されている筈の人間だった。

つまり、身分を正しく証明できる者は誰もいないという事。

『既に死んだ筈の人間』、或いは『この世には存在しない筈の人間』だった。

百八星とは、そんな存在。

彼らの生きている証とは、暗殺を遂行した数だけなのだ。

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