Assassins
「そろそろ見つかった頃だろうな」

松岡が呟く。

彼らは現場を離れ、雑木林へと足を踏み入れていた。

いや、この規模だと樹海といった方がいいか。

かなりの面積の森林が続いている。

その名の通り、海のように広大な森林だ。

山中や、この樹海など。

どうしても身を隠すには、こういった険しい環境の場所を選ばなくてはならない。

360度どこを見ても木しかなく、特徴のない似たような風景が続いており、また足場が悪く真っ直ぐ進めない為、なかなか元に戻れなくなるような樹海。

自殺者の遺体の一つや二つ見つかっても、おかしくないほどの深い森だった。

「まぁ俺達はその方が都合がいいけどな。警察も、ここで捜索するのは骨が折れるだろ」

遭難を恐れる様子もなく、松岡が笑う。

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