あなたと月を見られたら。

突然笑い出した龍聖に苛立ちのこもった目を向けると


「いいオンナになったね、美月。」

「はい?」

「俺、気の強いオンナが好きだからさ?そんな目で睨まれるとゾクゾクするなぁ。」


龍聖はそう言ってクスクス笑う。



ぎゃっ!変態!!!



龍聖の言葉にドン引きして思わず身をのけぞらせると


「ま、キスっていうのはウソだけどさ。ついでだから一緒にお茶でもしようよ。」

「…なんで?」

「俺の知らない時間の美月を知りたいから…かなぁ。こんな時間に元カレの店にやってくるなんてさ?下心アリアリなのか?つまんねー、って思ってたけどそういうわけでもなさそうだし、美月と話すの楽しそうだし。」



はぁー?下心だとぉ??
そんなもんあるわけないでしょーが!

それにさらっと《つまんない》とかものすごいこと言ったよね!!

バーカ、バーカ、バーカ!
アンタと今さらどうこうしようなんて思わないんだから!!


「お断り。
私、元カレと昔を懐かしむ趣味ないの。わかったらさっさとそのペン返してよ。」


世の中のオンナみんながアンタのトリコだと思ったら大間違いなんだからねっ!



龍聖の手に握られたボールペンを取り返すべく伸ばした手は

「ダーメ。お茶してくんなきゃ返さない。」

駄々っ子みたいなことを言い出した龍聖の手によって、カウンターの奥にあるコーヒーカップの沢山入った食器棚の奥へと隠される。

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