あなたと月を見られたら。
龍聖は二年前も今も、相変わらず何を考えているのかわからない。龍聖が2年前に別れたままの最低最悪な嫌なヤツなら、思いっきり嫌って罵ってやるのに……。再会した龍聖は、時折柔らかで穏やかで、私の知らない顔を見せるから、頭の中が激しく混乱し始める。
悪い人なのか、いい人なのか(多分いい人ではないけれど)龍聖がわからない。このあいだの最後の言葉の意味もあの表情の答えも私は答えが見つからないままだ。
ハァ、とため息を吐いて書類をトントンと机の上で揃えると
「ふーん。でも男って案外単純だけどね。」
「…え?」
「わからない、と思ってるのも、振り回されてる、って思ってるのも案外女の人だけで、男って単純でわかりやすいよ?」
そう言って麻生さんは紙を一枚取り出して私の前でxxと書き始める。
ん??バツが2つ?
意味不明な記号に首を傾げてると
「コレ、女性の染色体。エックス、エックス。」
と説明し始める。
ああ!エックスだったんだ!
やっと納得できた私がウンウンとうなづくと、麻生さんはニコッと笑ってxyと書き始める。
「これは男の染色体、エックス、ワイ。」
ウンウン。なんか生物の授業で聞いたことがある気がする。フフッ。なんだか高校の頃の授業を受けているようで楽しくなってきたぞ。
無邪気に私が楽しんでいると
「コレは諸説あるんだけどね?女の人って第六感があるっていうでしょ?それはこの染色体からきてるんじゃないか、っていう説があるんだよ。」
そう言って、麻生さんは男性の染色体yに一本の線を付け加える。