誘惑したくなる上司の条件


翌朝、臭いが気にならない系の湿布をあちこちに貼って出勤するも…

私より年上の課長がいつも通り、元気にピンピンしているのを見て


悔しいけど敗北感…。


しかもこの蒸し暑い中、外にいたら、汗で湿布貼ってる場所が蒸れてぴりぴり痒い。


ああ、もう最悪。

だけど

だけど

だけど

最悪なコンディションと打って変わって、久しぶりに好調に契約がとれていく。


なんかこれ、良いことがある前触れなんじゃないのー?的な

今日の夕方前には7件目の契約成立電話もできたし

もしかしたら、課長がご褒美にご飯に誘ってくれるかもー。

なんて淡い期待をしながら定時に会社に戻ると…

オフィスに響く話し声。

もしかして重たい空気かしら?なんて…恐る恐る中に入ると

今年入社したばかりの女子の1人と課長のツーショット。

しかも彼女はなにやら泣いてる感じで…

課長も慰めるためか、泣いてる彼女に寄り添ってその背中を摩っている。

てか、別に触らなくてもいいじゃん?

言葉で励ませばいいじゃん?みたいに感じでしまうのは…私が性格悪いからなのかしら。


簡単な事務作業が残っているのに、きまずいな。

静かに中に入った私に気づいた課長は、一瞬だけ私を見て目をそらした。


なんでもなくても「おかえり、よく頑張ったな」くらいは言ってもらいたかった。

ちょいムカつく。

それは嫉妬なんかじゃないけどね。

ただ…

こんな場面を見てしまうと胸ん中がざわつくから。

それが嫌なんだよ。


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