誘惑したくなる上司の条件

事務作業を終えてPCの電源を落としていると

「そろそろ、順にみんなも戻ってくるし…一旦、外に出て話しをしよう」という課長の声が聞こえて

嫌なくらい胸ん中がざわつくから

声もかけずに、オフィスを出た。


お人好しで面倒見がいい課長だから

何か、相談にのっていたに違いない。

昔は私もそうだった。

そうだったと思いながら

嫌な気分から抜け出せない。

あの子のあのポジションは…

私の場所なのになんて…馬鹿なことを考えてしまう自分も情けない。


課長のように、みんなから信頼されて

慕われて

面倒を見てあげれるような先輩になりたかったのに…

今の私はどうだろう?

そんな理想から遠く離れた気持ちになってないか?

憧れだった真島先輩

今も憧れてる真島課長。

そう…

私はただ、課長に憧れてるだけの部下なんだから…。

悩める後輩をそんなふうに思うべきじゃない。


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