続・祈りのいらない世界で
それは中学生の頃。
入部したてのイノリは、持ち前の運動神経の良さを発揮し、1年生ながらスタメンに選ばれた。
「ちょうど休みだから、みんなで応援に行くね」
「来てもいいけど、俺に惚れても知らねぇぞ?」
イノリの言葉に真っ赤になったキヨは首を振った。
「イノリなんかに惚れないもん!」
「素直じゃねぇな」
中学校からの帰り道を二人乗りをしながら帰っている2人。
自転車が柔らかい風を切る。
「私、生でダンク見てみたいんだよね。ダンクしてる姿見たら絶対惚れちゃうよ。…中学生には出来ないか」
「出来る奴は出来んじゃねぇの?…でも他の男のダンクは見んな」
「え?なんで?」
キヨはイノリの肩に顎を乗せ、イノリの顔色を窺う。
「…お前は俺だけ見てればいいんだ。よそ見をするな、バカ」
イノリの言葉にニッコリと笑ったキヨは、薄暗くなってくる空を見上げた。
言われなくてもイノリしか見ないもん。
よそ見をしている暇なんかない。
イノリが試合に集中出来なくなるくらい、見つめてやるんだから…
キヨは日に日に男の子から男性になっていくイノリの背中を見つめながら、心の中で呟いた。
試合当日。
キヨ、カンナ、カゼ、ケンの4人は試合会場の市民体育館に応援にやって来た。
暫く応援席で待っているとコートにイノリ達選手が現れた。
「………イノリ、大きくなったね」
「そうね。普段は気に留めないけど、こうやって遠くから見るとよくわかるわね」
「もともとイノリは背高いしね」
真新しいユニフォームを身に着けているイノリを見つめる4人。
するとイノリは4人がいる方を振り向いた。
入部したてのイノリは、持ち前の運動神経の良さを発揮し、1年生ながらスタメンに選ばれた。
「ちょうど休みだから、みんなで応援に行くね」
「来てもいいけど、俺に惚れても知らねぇぞ?」
イノリの言葉に真っ赤になったキヨは首を振った。
「イノリなんかに惚れないもん!」
「素直じゃねぇな」
中学校からの帰り道を二人乗りをしながら帰っている2人。
自転車が柔らかい風を切る。
「私、生でダンク見てみたいんだよね。ダンクしてる姿見たら絶対惚れちゃうよ。…中学生には出来ないか」
「出来る奴は出来んじゃねぇの?…でも他の男のダンクは見んな」
「え?なんで?」
キヨはイノリの肩に顎を乗せ、イノリの顔色を窺う。
「…お前は俺だけ見てればいいんだ。よそ見をするな、バカ」
イノリの言葉にニッコリと笑ったキヨは、薄暗くなってくる空を見上げた。
言われなくてもイノリしか見ないもん。
よそ見をしている暇なんかない。
イノリが試合に集中出来なくなるくらい、見つめてやるんだから…
キヨは日に日に男の子から男性になっていくイノリの背中を見つめながら、心の中で呟いた。
試合当日。
キヨ、カンナ、カゼ、ケンの4人は試合会場の市民体育館に応援にやって来た。
暫く応援席で待っているとコートにイノリ達選手が現れた。
「………イノリ、大きくなったね」
「そうね。普段は気に留めないけど、こうやって遠くから見るとよくわかるわね」
「もともとイノリは背高いしね」
真新しいユニフォームを身に着けているイノリを見つめる4人。
するとイノリは4人がいる方を振り向いた。