続・祈りのいらない世界で
東京に来てからはすれ違ったり傷付け合ったり、逃げたり求めたりの繰り返しだったけど


物心ついた頃から東京に行くまでの間に築き上げてきた絆が、私達を守ってくれていたよね。




「…イノリ、ありがとう」




その後キヨとイノリはブーケ投や二次会は行わず、カンナとケンと共に愛する家族が眠る場所へとやってきた。



「…カゼ。無事にイノリとの結婚式終わったよ。見ててくれたかな?私、綺麗に着飾ってたんだからね」

「馬子にも衣装ってな感じでな」

「うるさい!イノリは素直な時とそうじゃない時の差が激しすぎるよ!!あんなクサい台詞言ったクセに」

「クサい台詞って失礼だな!お前こそ素直じゃねぇな」



キヨとイノリがど突き合っていると、カンナとケンはカゼのお墓の前で手を合わせる。




「そうだ、カンナ。はい、これ」

「え?」



キヨはカンナにブーケを差し出す。
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