続・祈りのいらない世界で

5・形のない愛に形を

「待って…イノリっ!!」

「待てない。止めるな」



イノリは仕事から帰ってくるなり、イノリのベッドのシーツを敷いていたキヨを押し倒した。


最近はご無沙汰だった為か、色々溜まっているらしい。




「最近イノリおかしいよ!やだっ!!」



キヨはイノリの腹を蹴ると、ベッドから降りた。


イノリは行き場のない手を震わせながらベッドに顔を埋めている。




「もう!!欲求不満!!変態!!」

「…もう夫婦なんだ、したい時にさせろ。今まで我慢してた分、他の男より溜まってんだよ」

「そんなの知らない!それに結婚してからいっぱいしてるでしょ!?私、体保たないよ」



キヨは赤くなりながらイノリの部屋から出て行った。


リビングに向かうと、フウを寝かしつけたカンナがテレビを観ながらくつろいでいた。




「カンナ、フウ寝たの?」

「うん、あの子カゼに似たのか寝付きはいいのよね」

「そうだね、フウ手が掛からないもんね。カゼそっくりだなぁ…」



キヨはカンナの隣に座ると、カンナの肩に頭を乗せた。




「キヨ。イノリ帰ってきたのに、ほっといていいの?」

「いいの!イノリ最近おかしいんだもん。いつどこにいてもヤりたがる。付き合いきれない」




キヨが顔を膨らますとカンナは声を出して笑った。
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