純白の君に、ほんのすこしのノスタルジアを。



「だって、どうでもよかったんだもん」



到着した鯛の刺身を食べながら、妹は唐突に話を戻した。



「毎日毎日喧嘩ばっかりして、うるさいし迷惑だし。

むしろもっと早くに出て行ってもおかしくなかったと思うし。

なんで別れないかって訊いたら、あたしたちのため、とかいい親ぶってさ。

本当にあたしたちのためを思うなら、そもそもあたしたちの目の前で喧嘩なんかしないでほしいし、もう勝手にしてって感じでしょ?

どうでもいいや、って気分にもなるよ」



ふてくされたような顔で言って鯛の器を空にすると、妹は今度は出汁巻きと鳥のたたきを頼んだ。



「おまえさ……」



「なによ」



文句でもあるのか、と言いたげに睨みつけられて、俺は一瞬、言葉に詰まった。



「……いや、俺の財布気にしながら食えよ」



「そこで、気にするな、って言わないからモテないのよ」


< 6 / 23 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop