純白の君に、ほんのすこしのノスタルジアを。
「だって、どうでもよかったんだもん」
到着した鯛の刺身を食べながら、妹は唐突に話を戻した。
「毎日毎日喧嘩ばっかりして、うるさいし迷惑だし。
むしろもっと早くに出て行ってもおかしくなかったと思うし。
なんで別れないかって訊いたら、あたしたちのため、とかいい親ぶってさ。
本当にあたしたちのためを思うなら、そもそもあたしたちの目の前で喧嘩なんかしないでほしいし、もう勝手にしてって感じでしょ?
どうでもいいや、って気分にもなるよ」
ふてくされたような顔で言って鯛の器を空にすると、妹は今度は出汁巻きと鳥のたたきを頼んだ。
「おまえさ……」
「なによ」
文句でもあるのか、と言いたげに睨みつけられて、俺は一瞬、言葉に詰まった。
「……いや、俺の財布気にしながら食えよ」
「そこで、気にするな、って言わないからモテないのよ」