不要なモノは愛
「松野さん、そろそろ帰らないんですか?」


しめの雑炊まで食べ終えて、食器を片付けているとのんびりテレビを見ている松野兄に一樹が問いかける。

そうだ、そうだ。寛いでなんかいないで、早く帰れ…。


「ああ、俺のことは気にしなくていいから、高宮は帰れよ。おやすみ」


テレビの画面から視線を一樹に移して、ヒラヒラと左手を振る。いつまでここにいるつもりなのよ…気にして欲しいのだけど。

明日も仕事があるし、ご飯を食べるだけなら充分用は済んだはずだ。多分、一緒に食事をするだけのはず。


「はい?松野さんだけを残して帰れませんよ。女一人の家にずっといるなんて、迷惑ですよ」


「俺は、まだ小夏といたい。だから、お前は邪魔だよ。ほら、早く帰れよ」


「あの、松野さんも帰ってもらえませんか?私、疲れているので休みたいし」


その時、一樹のスマホが鳴り。家からだったのですぐに出る。


「はあ?親父は?…まだ帰っていない?…分かった。帰るよ」
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