幼なじみの溺愛が危険すぎる。(後編)
side/玲音


「つうかさ、あんなの本心のはずないじゃん?」


りりちゃんのベッドに腰掛けて、すやすやと眠ってしまったりりちゃんに零す。


「あんな顔されたら"行くな"なんて言えなかったんだよ」



りりちゃんのサラサラの髪を指ですくうと、
気持ちよさそうにりりちゃんが頬をゆるめる。



「行かせたくねぇ……」



りりちゃんの頬にそっと触れる。



幸せそうに眠っているりりちゃんに顔を近づけた。



ぐっすりと寝ているりりちゃんのおでこにキスを落とすと、
寝ているりりちゃんに小さく呟いた。


「りりちゃん、いつになったら俺のものになってくれんの?」



そのまま唇を滑らせて、

りりちゃんのぷるんとした柔らかい唇に自分の唇を重ねる。


りりちゃんと唇を重ねたまま、りりちゃんのパジャマのボタンに手をかけた。


颯大にとられるくらいなら、このまま……


そんな思いが頭をかすめたけれど、少しためらって、その手を止めた。


はあ……


無理矢理やったところで、りりちゃんの心が俺のものになんなきゃ意味ないしね。


あーあ……


なんで"行っていい"なんて言っちゃったんだろ……


寝ているりりちゃんの隣に滑り込むとふんわりと甘い香りが漂ってくる。


両手で包み込むようにりりちゃんを抱き締めて、りりちゃんの髪に顔をうずめた。




このままずっと俺の腕の中にとじこめておけたらいいのにね…



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