幼なじみの溺愛が危険すぎる。(後編)
月明かりに照らされた玲音と視線がからみドキリとして顔をそらすと、

玲音の片手に頬を包まれた。


「りりちゃん、こっち見て。俺のことちゃんと見て?」


玲音の潤んだ瞳が大きく揺れる。


誰もいない公園のジャングルジムの上で

玲音の手のひらに頬を引き寄せられて

心臓が苦しいほどに大きな鼓動を奏でる。



そっと近づいた玲音の唇が私の唇に触れる瞬間、


女の子を抱き寄せていた玲音の姿が頭をかすめた。



思わず玲音から顔を背けると、


私の頬をつつんでいた玲音の手のひらが宙に浮いた。

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