みんなの冷蔵庫(仮)2
好きだと側にいたいはずだとは思うが、失恋した場合はそうじゃないのだろうか。

シグマが少し後ろに立つくららの顔を、そっと振り返って見、またこちらに顔を戻した。


「じゃ、リューマン俺と一緒に行こっか?」


シグマがそう言うと、くららの胸がホッと撫で下ろされたようだった。

さすが一途に想い続けているだけある。

鈍そうなシグマでも、くららの事となると別みたいだ。

ちゃんとくららの気持ちを察することができたのだろう。


佐田は微笑みながら頷き、くらら達の後ろを通って素早く部屋を出て行った。

何だか違和感がある。

部屋を出たのは「仕事」をしに行ったのだろう。違和感はそこではない。

ぱっと見は分からない、付き合いの長い僕だから分かる、一瞬横顔に浮かんだ佐田の心の揺れ。

それを僕は見逃さなかった。


佐田も安心している?
なぜ?

出て行く佐田の背中を横目で見る、くららの瞳もまた苦しそうで、


さらにそのくららの隠しても隠し切れない、後姿を思わず追いかけるような視線を感じてしまった、シグマの切なさを抱く瞳も

離れて見ている僕でも辛くなる



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