【流れ修正しつつ更新】流れる華は雪のごとく
「ホント敵わねぇなお前には」
理津は降参、というように両手を挙げる。
「何がよ…」
真剣に考えたのに、何だか拍子抜けだ。
顔を赤くし、肩を落としている露李に小さく笑みを溢す疾風。
「心配するな。いつも元に戻るし、少しの間だけだ」
「そーそ。俺達はお前のこと忘れねぇし、今までもクラスの奴とかに忘れられても、守護家の仲間がいた。大丈夫だぞ」
変なとこで弱いな、また。
理津は励ましながら露李の頭を撫でる。
「ほら、泣くな」
「泣いてないっ」
真面目に言った疾風にムキになるも、相手は笑顔だ。
藍の目が面白そうに自分を見ている。
うう、とまた唸ってから後ろへ仰向けに倒れこむ。
両端の二人はまた笑って、どちらともなくチラリと目を合わせた。
この妙に鋭い所、それよりも。
彼女は泣き出してしまいそうなほど優しい。
「バーカ」
理津が誤魔化すように笑って、露李の横に倒れる。
それに続いて疾風。
「もー何。馬鹿で悪かったわね」
「馬鹿にはしてねぇけどな」
「理津、さっきお前バカって言ってたぞ」
「カタカナのバカだから良いんだよ」
「何それ…」
呆れたように呟いて、穏やかな時間にそっと目を閉じた。