【流れ修正しつつ更新】流れる華は雪のごとく
露李は何も言えずに目を伏せた。
身勝手な話だ、とも思ったがそれ以上に悲しかった。
「ごめんなさい、露李」
「どうして美喜が謝るの?」
「あたしは、あの人のことを一番分かっていながら、最悪の事態になるまで何も出来なかった」
「…仕方ないよ。仕方ないで終われないけど、でも仕方ない」
「露李は、そう思うから秋雨たちをここに住まわせてくれているのね」
うん、と頷く。
行き場の無い感情が渦巻いていて、そういうことしか出来なかった。
美喜は優しく目を細め、ありがとうと再度呟いた。
「皆がもう来てるから、離れに行こう」
礼には応じず、襖の外に意識を向けながら言う。
きっと待ってくれている。
美喜はまた頷いて立ち上がった。
手早く服を着替えて髪を整え、二人は部屋を出た。