アタシはイレモノ
可愛らしい笑い声と話し声には聞き覚えがあり、すぐに栞理たちだとわかった。


あたしはゲームをする手を止め、耳をすませた。


「栞理、今日どっかよってく?」


「今日は予定入っちゃったから無理」


「なんだぁ、つまんない」


「また他校の事遊ぶの?」


その問いかけに栞理はすぐには返事をしなかった。


友達をじらすように間を開けている。


「実はね、今日川上君に誘われちゃったんだぁ!」


楽しげにそう言う栞理の声が聞こえてきて、あたしはトイレの中で唖然とした。


「本当に!?」


「さすが栞理! どうやって誘われたの!?」


トイレの中は一段と騒がしくなる。


「実はね、今朝川上君をテラスに呼び出したの」


栞理は自慢するように話し始める。


今朝川上君を呼び出した栞理は、仲のいい友達が亡くなって悲しいという事を言い、涙を流しながら川上君に抱き着いたのだ。
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