アタシはイレモノ
「増田君がいなくなった日、その相手に告白をしたんじゃないかなって……」


「告白?」


女性は驚いたように目を丸くした。


だけどそれは次第に大きな頷きへと変化していった。


「そう言われればそうかもしれない。あの日学校へ行く時も鏡の前でずっと自分の顔を見にしていたの。


あの子、自分の外見を気にするタイプじゃなかったのに、どうしたのかなって疑問を感じたのを覚えているわ」


女性は思い出したようにそう言った。


増田という男性は亜耶に告白をしている。


ここまでくればもう間違いないだろう。


そしてその後姿を消した……。


「最後に1つだけ、聞きたいんです」


「なに?」


「増田君に自分から姿を消す理由はありましたか?」


栞理の言葉に女性は「そんなの、ないわよ」と、しっかりと否定したのだった。
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