〜はどちらを選ぶだろう・・・あなたはどちらを選ぶ!?
『優先』
私の名はカーダー。



この国に仕える

傭兵部隊の隊長をしている。



国王はマジック好きで、

何を決めるにも

ご自慢のトランプを使う。

そして今年も

この時期がやってきた。

トランプで配属場所を決める

嫌な時期が・・・



は東西南北を示し、

1から13はその場所の

モンスターレベルを表す。

例えば

の13のカードであれば

東地区のレベル最強13の

モンスターが生息する場所

という具合に。

そして

ジョーカーを引けば、

一年間仕事をしないで

遊んで暮らせる!

何もしないでも

いつもの倍の給料が頂ける、

ラッキーなカード。

皆これがあるから、

渋々このやり方に

従っていた。





間もなく各部隊の隊長が

王室に集められた。

「遂にきた、このときが・・・」

トランプはシャッフルされ、

国王の手から一枚ずつ

引かれていった。そして

私も緊張で震えながら、

1枚引いた・・・。

隊長たちはカードを確認し、

それぞれの場所へと

向かっていった。



私の引いたカード・・・

恐る恐る確認した・・・







それは何と

ジョーカーだった!!



一年間遊んで暮らせる!



・・・しかし、喜んでいるのは、

私だけではなかった!

隣にいた、親友のダイボも、

同じように喜んでいた!



「ど、どういうことだ!?

お前も同じジョーカー!?」

驚き、

互いのカードを見せ合った!

やはりどちらも

ジョーカーだ!!



国王は私達の様子を見て、

話しはじめた。

「すまぬ、ワシのミスだ。

どうやらジョーカーを2枚

入れてしまったようだ・・・



悪いが一人は残ったこの、
の13・・・つまり、

北地区のレベル最強13に

いってもらうことになる!」

今度は互いに顔を見合わせるが、

何も言葉がでなかった・・・

さっきまで喜びが

嘘のように・・・



「ワシには決められぬ。

2人で決めてくれ!」



国王はそう告げると、

部屋から出て行ってしまった。






・・・こう言う場合、この国では、

お互いの剣を交わし、

勝った方を優先する

というのが決まりだ。

しかし、相手は親友のダイボ。

それに彼は去年、任務で

私をモンスターから救うため、

左手をケガしてしまっていた。

それ以来、思うような剣は

振るえていない。



腕はほぼ互角。

このハンデでは

私が勝つだろう・・・。





私個人の心境としては、

ここはダイボに

ジョーカーを譲り、

去年の借りをかえしたい・・・

しかし隊長という立場を

考えると・・・部下にまで

迷惑をかけるわけには

いかない・・・

ルールに従って

剣を交えるか・・・

借りを返し、

部下にはこのことは・・・





カーダーは

どちらを選ぶのだろう・・・

あなたはどちらを選ぶ!?




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