黄昏を往く君は


 そして、世界は荒廃した黄昏に変わり、絶望が支配するような戦場の景色が広がる。
 雨がすべてを洗い流し、溢れるような光の中で、

「良い子だ、よく戻ってきたな」

 優しい声が響いた。
 いつしか、なにもかもが消え去って、温かい水の中で私は身体を丸めていた。
 誰かが私の額を撫でているのが分かった。
 私はその手に縋って、今度は夢も見ないくらい深い深い眠りに就いた。
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