最強ヤンキーとおてんば美少女
そう…あれにはまだ続きがあった



夢はあそこで終わっちゃったけど、あの後奏くんが引き返してきてこのブレスレットをくれたの



私が助けた男の子が"いつか探し出して幸せにするから待ってて"と言って奏くんにブレスレットを預けたらしい



その時から私は信じて彼を待っていた



「それ、俺と同じ」



と言って平野くんは左手首を私に見せた



その手首には私と色違いのものがつけられていた



「ど、どうせどこかで同じもの…」



「あるわけねーだろ」



「姫歌ちゃん、蓮の家金持ち」



「だ、だからなによ…」



「このブレスレット平野家から代々伝わるもの。だから、世界に一つだけしかないわけ」



「なっ…!」



「残念だったな」



ニヤリと目の前の茶髪男はそう言った



「なんで平野くんがあの時の男の子なんだ…」



「蓮」



「え?」



「蓮って呼べ」



「なんでよ?」



「奏は"奏くん"で俺は"平野くん"っておかしいだろ」



いや、あなたと奏くんじゃ身分が…



「あ?なんか言ったか?」



「イイエ、ナンデモナイデス…」



そんな恐ろしい目で見ないでよ…!



目だけで人1人やっちゃいそうな感じだったし…!



「呼んでみろ」



「は?」



「俺の名前を呼んでみろ」



「なんで?」



「なんでもだ」

< 10 / 280 >

この作品をシェア

pagetop