0の可能性

「君はメガネをしていないほうが魅力があるよ。今日は薬飲んで寝たほうが良さそうだね?明日会社休まないようにね」

「…………」

「じゃあ」

“ぽん”とゆかりの頭に手を置き、自分の荷物を持って帰って行く諒陽の背中を、ドアが閉まってもそこを唖然とゆかりは見ていた。

「…寝よ」

幻覚なのか何なのかよくわからないが、九条さんに言われた通り薬を飲んで寝ることにした。

あれ、私どうやって帰ってきた??

ソファーに寝ていた私、
部屋には九条さん。
運んでくれたわけか。
そっか……………って、ちょい待て。

あくびしてるの見られたし寝てるところも見られたよ。全然“そっか”じゃない…

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