0の可能性

どうやら諒陽の腹の虫だったようで、恥ずかしそうにはにかんでいる。それを見てゆかりは笑ってしまう。

あれほど完璧主義なパーフェクトマンでも、空腹には敵わないのだと思うと、なんだか笑えるのだ。

「ご飯、食べていきます?」

気づいたらそんなことを言っていた。

もう少し一緒に居て、色んな諒陽の姿をもっと見てみたいと素直に思った。

「いいの?」と全く予期せぬゆかりの言動に 呆けたようになる諒陽。

「ハイクオリティな物は作れませんけど」

「じゃあ買い物にいこう。僕も手伝う」

それは有り難い。九条さんが作るんだ、美味しいに決まってる。

「いいですね。お酒も買っちゃいましょう。あ、九条さん飲めないですね」

「コイツがな」と愛車のボンネットを軽く叩く。
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