不良の俺とクールな後輩

他の集まりやグループと喧嘩をしたことは何度もある。



でもその強くて有名なグループの存在は聞いたことがなかった。




「おい。それってどんなグループなんだよ?」




俺が呼び止めると1年は急に顔を強張らせた。




「最近隣の地区で有名になったらしいです。

元々はもっと別のところにいたらしいんですけど、隣の地区のグループに勝ってのっとったらしいです。

どこかの学校の集まりとかじゃなくて、この辺りの強い奴らを地区とか関係なく集めてるって…」




「おいおい、それって……」




裕也が何か言いかけた時、突然集まってた公園の入り口で大きな音が響いた。



俺達じゃなくてもそれがどんな音か分かった。



バイクだ。



それも何台も何台も、大勢のバイクが近づいてくるのが分かる。




「来た……!」




高校に入ってからまだ喧嘩したことない1年達の顔が強張ったのが分かった。



音は確実に近づいてきていて、これからたぶん喧嘩になるだろうことが分かったらしい。




「怖がんなって、大丈夫だから。」




神崎先輩がそう言った時、音が一段と大きくなってバイクが一台公園に入ってきた。



それに続いて入ってきた多くのバイクの騒音に周りの住宅からも恐る恐る公園を覗いているのが分かる。




< 42 / 107 >

この作品をシェア

pagetop