精一杯の背伸びを

もう一度





 年が明けた次の週にはテストが始まった。


 補講を挟んでのテストだから一月は丸ごと試験に費やされた。


 このテスト月間ばかりは元気な朔ちゃんと広君はやつれている。


 テストが終われば春休みがある。


 それだけが救いであるかのように、ぶつぶつ二人してお経のように唱えている。


 要領の良い、榊田君と小夜ちゃんは普段と変わらず、アルバイトをこなしながらのテスト。


 私はというと、要領が良いわけではないが普段から授業の空き時間に図書館で勉強していた。


 だから、やはり普段の生活とそんなに変わりはなかった。


 ひたすら目の前のやるべきことを一つ一つこなしていった。


 
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