イケメン弁護士の求愛宣言!
たしかに、なにかありました……。

だけど、なにからどう話せばいいか、頭の中で整理しきれていない。

こういうとき、真斗さんなら瞬時に頭の中で話も組み立てられるんだろうけど、私にはそれはムリだ。

「えっと……」

なにをどう話そう……。

迷いに迷っていると、隣から大きなため息が聞こえてきた。

「そうか。話せないようなことなんだな。由依子は、そんなタイプじゃないと思ってたのに、違ったってことか。ガッカリだな」

「ど、どういうこと?」

突然、突き放されるような言い方をされて戸惑ってしまう。

すると、真斗さんは冷ややかな視線を向けて言った。

「本当は、秀一が好きなんじゃないのか? 今日オレは一日中いなかったし、帰りにふたりでなにかしてたんだろ?」

「なにかって……?」

本気で言っているの?

真斗さんだって、らしくない言い方じゃない。

まさか、本気で疑われるなんて思ってもみなくて、だんだんこっちも表情が堅くなる。

「抱きしめ合うことだよ。実はもっと深いことまでしたんじゃないのか?」

そこまで言われて、自分の中でなにかが切れた。

気がついたら、涙がひと粒、ふた粒とこぼれ落ちている。

「ひどい、真斗さん。私はそんなことをしてない。来島先生が、私を好きだと言って抱きしめてきたのよ。先生には、前から告白されていたの」

本当にひどい。

私こそ、真斗さんがこんな冷たい言い方をする人だとは思わなかった。

唇をかみしめて涙を止めようと気持ちを落ち着かせていると、彼が優しく抱きしめてきた。

「ごめん、泣かせるつもりじゃなかったんだ。言い過ぎなのは分かってたんだけど。でもこれで、やっと話してくれたな」

「えっ⁉︎ まさか、わざと言ったの?」

真斗さんの胸に顔を埋めて、やっと我に返る。

そんな私の髪を優しく撫でながら、真斗さんはクスクス笑った。

「そう、わざと。ああでもしないと、由依子が話してくれなさそうだったから」

そうだったんだ。

体の力が抜けるのを感じながら、ため息がもれる。

「さすが、やっぱり真斗さんはエリート弁護士先生ね。簡単に乗せられちゃった」

「オレは検事じゃないから、マイルドな方だよ。それより、本気で妬けるな。秀一のことは」

ゆっくり体を離され、真斗さんはふてくされたように口を尖らせた。
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