イケメン弁護士の求愛宣言!
結局、今日も真斗さんとは仕事の話もできないまま、勤務終了の時刻。

「お疲れ様でした……」

先生たちに挨拶をしても、真斗さんは仕事に夢中で返事をしてくれなかった。

というか、無視されてるんじゃないかな……。

まさか、もう嫌われちゃった?

マイナス思考が頭をぐるぐる回りながら、すっかり暗くなった道を歩いていくと、どんどん切なくなってくる。

ときたますれ違うカップルを見るとなおさら。

私だって、あんな風に手を繋いで真斗さんと歩きたいのに。

少しずつ開けた通りに出てくると、アパレルショップやカフェが見えてきて、そのなかで本屋に目が止まる。

店の外にある棚に並べられた雑誌のひとつから、真斗さんの名前が目についたからだ。

それは法律系の雑誌らしく、表紙は『弁護士』の言葉で溢れているけど、個人名が書いてあるのは真斗さんだけ。

自然と雑誌に手が伸びて、パラパラとめくっていた。
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