イケメン弁護士の求愛宣言!
ちょうど真ん中辺りに二ページにわたって、真斗さんが紹介されている。

顔写真も掲載されて、大見出しには『やり手のエリート弁護士』と載っていた。

「すごい……。やっぱり真斗さんって、私にとっては雲の上の人なんだわ」

ざっと目を通すだけでも、真斗さんの華々しい経歴が書いてある。

大手企業の顧問弁護士の話や、集団訴訟での勝訴を掴み取った話など、ため息が出るものばかり。

真斗さんは、いつも大きな重圧のなかで大変な仕事をしているというのに、それを忘れていた気がする。

雑誌を読みながら、ふと思ってしまった。

「私、恋の相手ってだけでしか、真斗さんを見てなかったのかな……」

ボソッと呟くと、

「やっと分かった?」

という女性の声が聞こえて振り向いた。

「美織さん⁉︎」

そこには美織さんが立っていて、私にキツイ視線を向けている。

その威圧感に、息をのんでしまった。

「真斗はあなたと付き合ってから、仕事が浮ついてるのよ。本当、いい迷惑」
< 159 / 301 >

この作品をシェア

pagetop