イケメン弁護士の求愛宣言!
ようやく、この場から離れられると思うとホッとする。

安いが売りのチェーン店の居酒屋だから、とにかく騒がしくて落ち着かなかった。

あらかじめ飲み代は徴収されていたから、そのままバッグを手に取り、誰より早く店を出る。

きっとこのあとは二次会だろうけど、私はここで退散しよう。

ぞろぞろと皆が出てきたところで、夏帆に耳打ちをした。

「私はもう帰るね」

盛り上がっている雰囲気に水を差すのも悪いし、ノリについていけていない。

そんな居心地の悪さを感じて、こっそり抜けようと思っていたのに、夏帆は皆に聞こえる大きな声で言ったのだった。

「ええ⁉︎ 由依子ってば、帰っちゃうの? これから二次会だし、一緒に行こうよ」

皆が一斉にこっちを見て、私は気まずいやら恥ずかしやらで、夏帆に必死に言い訳をしていた。

「明日も仕事だし、早く帰らないといけないのよ。だから、私は抜けるね。今日はありがとう」

夏帆のことは友達だと思っているけど、空気を読んでくれないときは、正直……勘弁してと思ってしまう。
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