恋が都合よく落ちてるわけない
実加たちに会いに行ったのに、混乱させてしまった。あの後、ケンカになってなければいいけど。

「あの、実加?」

「千鶴?おはよう」

昨日、二人と別れてから大丈夫だったのか、気になって、翌朝すぐに実加の所へ来た。

「昨日のことなんだけど…」

「ああ、久し振りに楽しかったね」

「楽しかった?悟君、大丈夫なの?」

「多分、大丈夫でしょう。昨日あれからいっぱい諭しておいたから大丈夫」


「それより、須田さん奏にキスされたの知ってたんだ」
実加がニヤニヤしている。


「知ってるもなにも、見てたもの。仁志さん」


「見てた?」
実加は、目を大きくして驚いた。


「須田さんが助けてくれたの」




「それは、思ってた状況と違うね…」

「うん。心配かけちゃったね」

「千鶴が気にすることじゃないよ。昨日はごめん。言い過ぎた」

「ありがとう、実加」

でも、昨日の実加の素直な反応の方が、しっくりくる。



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