恋が都合よく落ちてるわけない
「人に嫌われるのは、
いい事ではありません…」

「あら?じゃあ、
あなた他に嫌いな人いないの?」

「そういうわけじゃ有りませんが、
嫌われたら、どうしようかと…」
陽子さんは、クスッと笑いだした。


「須田くんが?千鶴ちゃんを、
嫌ってる?どうしてそう思うの?須田くんがはっきりそういったの?」


「言われたようなものです」


「あら?
今度は須田くんのことが気になるのね?」


「今までも気にしてましたけど」


「そう。わかったわ。じゃあ、須田くんに嫌われたと思ったのはどうして?」


やっぱり、そこに行き着くのか…
言わないといけない。


「あの…例え話なんですけど…」


「面白そうね」


「もし…陽子さんが、西川さんの前でキスされてるのを見たら?」


「キス!! しかも、須田くんに見られたの…アチャァ~。
それで機嫌悪くなったんだ。
なんだ、そりぁ嫌われても仕方ない」
陽子さんの目が好奇心で一杯になった。


「陽子さん、例え話です。設定はそのままでお願いします」


「ああ、ごめんなさい。そうね。あら…なかなかやるわね、千鶴ちゃんたら」


「陽子さん、くどいですが、例え話です」


「それで?須田くんは?」


「それで、仁志さん、じゃなくて相手の男
性は…俺が悪かったって」


「なにそれ、意味が分からない」


「私も、意味が分からないんです」






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