恋が都合よく落ちてるわけない

結局、私は一週間の休みを取った。

ほとんどか、仁志さんの家の改装付き合って、リフォーム会社との打ち合わせに使われた。

薫子ちゃんに、
「千鶴さん、もうさすがに二度目はないから」と笑って言われた。

「結局、事件はどうなったのよ」実加が待ちきれずに聞いてきた。

何から話そうか…

「結局は、専務の杜撰な伝票処理に奥田さんが気がついて、専務が後から持ってきたお金を、奥田さんが着服してたの」

「えっ…」実加が絶句した。

奥田さんの両親が、
着服したお金を全額返済したのと、
元はと言えば、専務が
きっかけを作ったようなものだから、会社側も訴えるのは、止めにしたのだ。

警察沙汰にはならずに済んだから、
この事は、一部の人間しか知らない。

「ごめん、私、奥田さんに会わせちゃったんだね」

「大丈夫よ。実加のせいじゃないから。私に会いたければ、どんな手段でも使って来るよ」

「ありがとう、千鶴。そう言ってもらえると気が楽になる」

「うん」

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