恋が都合よく落ちてるわけない
「あんた、男とまともに
付き合ったことある?」

何怒ってるんだろう。


工具をあきらめさせられた私は、
取り替えた延長コードをどこに
隠そうか思案していた。



このところ、私は、
落合君にあんた呼ばわりされている。



「付き合ってる人くらいいます」
ちょっと、埃にまみれてるけど、中身自体は、キレイにすればちゃんとしてるはず。


「ふーん。物好きだね。そいつ」
須田さん、物好きだって言われたよ。


「何、その意外だって顔」
落合君に逆に聞く。


「かなりの確率で、処女だと思った」



「ええ!! ちょっと、こんなとこで、
なんてこというのよ」



「あの格好、どんだけ威力があるのか、
わかってないから」



「あの格好?」



「そう、さっきの。
彼氏にやって見せれば?」



「今のところ、
お互い慎ましくやってるの」


「つまんないだろ、
そんなやつとやっても」



「あのね、そういうの余計なお世話」


「今度、二人だけの時教えてやるよ」

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