恋が都合よく落ちてるわけない
よりによって
「落合君は、
私のことを先輩として扱う価値はない
と判断したのか、次の日には、私のことを、あんた呼ばわりするようになった」

まあ、いいけど。

この、まあいっか…という、
ユルいスタンスで、
課長と二人呑気に仕事をしてきた。

あいつ(とても本人の前では言えない)
が来たことで、まあいっか、というわけにはいかず、バランスを崩していた。

とうとう、あいつが来るくらいなら、
セクハラにあってた方がましだ。
と私は、実加に打ち明けるくらいストレスになってた。

実加は、私のストレスを、
すべて欲求不満で片付けた。

「そういうもの？
西川さんと付き合う前のんて、まったくそういうのありませんでしたけど」

「今は違うでしょ？」
と実加。

「須田さん、そうは言っても、
忙しいみたいだし」なんだか私まで、
実加の欲求不満説を認めてない？


「電話してみれば…」


「そのうち…」
ちぃっと実加が舌打ちする。


「ダメ!! ちょっと貸して、それ」


私の携帯を引ったくると、
実加がダイヤルして電話をかけた。


「うわっ、何してるの」


「須田さんに掛けてるの」


何回かコールして、取り返した携帯の電源を切った。


「もう…実加!!」


「まだ、掛かってこない？」


「来ないよ」


忙しくなくたってかけてくることなんてそれほどないもん。


その日、一日気にしてたけど、
結局返事はなかった。



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