~Still~
「エレナ……」

咲希が思いきり溜め息をついた。

「アタシ、ケイレブが憎い。エレナにこんな傷を残したケイレブが、憎くてたまらない」

エレナは、ちょっと笑った。

「お互いに若かったんだよね、多分。けど、もう怖くて。男が怖いと言うよりは、年下が、怖いの」

「けどさ、年下が全部、ケイレブみたいな訳じゃないよ」

「それも、頭では分かってるの。でも、信用できなくなっちゃって……。常に疑ったり不安になっちゃう自分が嫌なの。
撮影中、イライラしてたら仕事にならないし」

「……会いに行きなよ!」

亜子が、真っ直ぐにエレナを見た。

「誰に?」
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