~Still~
!!

エレナは全身の血が逆流するような気がしたが、それとは裏腹に、凍りついたよう動けなかった。

「なにが女優だ!端役しかとれないお前が!
お前なんか、無理に決まってる。
日本に家がなくて、手当たり次第に男をひっかけて転がり込んでる、薄汚い女なんかに」

健斗がそこまで言った時である。

いつの間にか颯太がエレナの傍らに寄り添い、彼女の腕をとって立ち上がらせた。

「行きましょう、エレナさん」

「え?」

「ま、待て!」

健斗の声に、エレナの肩を抱いて踵を返したばかりの颯太が、ゆっくりと振り返った。
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