~Still~
「エレナさんは今現在、僕の恋人です。失礼な発言は控えてくださいますか」

丁寧な口調とは裏腹に、迫った眉の下の眼が不敵に光る。

健斗は颯太の迫力に押されて息を飲んだ。

「くっ!そんな女……こっちから願い下げだ!」

健斗は荒々しく身を翻し、店から出ていった。

エレナは、好奇の眼にさらされている空気を感じて俯いたが、すぐにクッと顔をあげるとフワリと笑い、周りに頭を下げた。

「ごめんなさい、お騒がせしてしまって」

なんて微笑みなんだ。

颯太には、周りの客たちがエレナの微笑みに見惚れたのが分かった。

「では、行きましょう」

颯太はエレナの腰に腕を絡め、彼女を守るように歩き出した。
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