~Still~
エレナは、胸が苦しかった。

自分の昔の傷が、自分だけでなく、愛する人間にまでも拡がってしまった。

私のせいだ。私がちゃんと立ち直れないまま、颯太くんを好きになってしまったから。

ケイレブとの過去に、決着が着いていない自分の心が、颯太くんを苦しめてるんだ。

「エレナさん、ごめん」

エレナは首を振った。

「颯太くんのせいじゃないの。私が、悪いの」

エレナは、ソファから身を起こすと、床に膝を着いたままの颯太に抱きついた。

「ひとつ聞いてもいいですか」

颯太はエレナに問い掛けた。

声は堅く、ぎこちない。
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