~Still~
「しばらく僕に付き合ってください」

は?

乗っかりナンパ?

「どうして?」

エレナは顔を傾けた。

「あの男性から助けたお礼と、キールロワイヤルの代金を、あなたの時間でいただきたい」

「代金ならお支払いしますけど?現金で」

男はクスリと笑った。

「僕の、あなたといたいという気持ちを察してください」

店から出て男は、エレナの腰から手をほどいて向き合うと、今度はその腕をとった。

清潔そうな形のよい唇をふっと引き上げ、白い歯を見せる。

「僕は神谷颯太と言います」
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