~Still~
「わたしは、奇をてらうのが、何よりも好まん。そちらの酒瓶は、まるで洋酒か、海外のイベントごとに使う、飾り物のようだ。日本酒独特の、伝統も文化も、なにもない」
会場が静まり返った。
雅丈一郎の眼は真っ直ぐに前を向いていて、隣の颯太を見てはいなかったが、その言葉は明らかに、颯太の打ち出した商戦も、新しい酒造りも、否定していた。
「なんでもそちらは、杜氏が女性ばかりとか」
雅丈一郎の言葉を聞いて、颯太はゆっくりと口を開いた。
「酒の種類によっては全て男杜氏です。ですが、特に女性に飲んで欲しい日本酒造りを任せているのは、女杜氏の皆さんです」
雅丈一郎は、失笑した。
「女人禁制の蔵に女杜氏とは。全国にそのような蔵元があることは存じておるが、海外の日本酒品評会で賞をとった酒が、女が作ったものとは……日本酒も、落ちたものよ」
会場が静まり返った。
雅丈一郎の眼は真っ直ぐに前を向いていて、隣の颯太を見てはいなかったが、その言葉は明らかに、颯太の打ち出した商戦も、新しい酒造りも、否定していた。
「なんでもそちらは、杜氏が女性ばかりとか」
雅丈一郎の言葉を聞いて、颯太はゆっくりと口を開いた。
「酒の種類によっては全て男杜氏です。ですが、特に女性に飲んで欲しい日本酒造りを任せているのは、女杜氏の皆さんです」
雅丈一郎は、失笑した。
「女人禁制の蔵に女杜氏とは。全国にそのような蔵元があることは存じておるが、海外の日本酒品評会で賞をとった酒が、女が作ったものとは……日本酒も、落ちたものよ」