~Still~
「しょーがねーだろ、今から鯛をおろすんだから」

「個室空いてるか?今日は連れがいるんだ」

連れ?

響は鯛を持ったまま、体を斜めにして颯太の後ろを見た。

「……こんばんは」

あ……!

響は、ハッと息を飲んだ。

颯太の体で顔の半分しか見えないが、あれは……。

綺麗な輪郭に、形のよい大きな眼。

響は無言のまま、数秒間、颯太と視線を合わせた。

「こちらは、城田エレナさん。エレナさん、こいつはこの店の大将で、僕の親友です」

店内に入り、颯太の隣に立ったエレナを見て、響は慌てて頭を下げた。
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