恋のデザインは色鮮やかに。
「ナル、いつまでも毛布に閉じ籠るなよ。
何時間そうやってるつもりだ?

そろそろ出てこい」


レイさんはそう言ってくれるけど、こんな時に優しくされると、自分の不甲斐なさにかえって辛くなる。


無視していると、はぁ…という溜め息が聞こえてきた。


そりゃレイさんだって呆れるよね。
見捨てられても仕方がない。


構わないで欲しいのに、見捨てられると寂しくなるという矛盾した気持ちを抑え込もうとしていると、グッと掴んでいた毛布が引っ張られた。


「出てこいって言ってるだろ。

担当がいつまでも引きこもってるんじゃねーよ」


取り上げられそうな毛布を掴んで引っ張り合いになる。


「返してください!
私はもうレイさんに会わせる顔がないんです!」


「ったく、つまらないこと言うな。

ナルはまだ俺に助けを求めてないだろ。
1人で抱え込もうとして。
何のために2人で組んでると思ってるんだ」


毛布は取り上げられて、レイさんが隣に座る。


言われてみれば、私はレイさんにまず謝らなきゃと思って、助けを求めるなんて考えが及ばなかった。
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