恋のデザインは色鮮やかに。
…助けを求めてもいいんだろうか?


私のどうしようもないミスを、レイさんに押し付けてしまうことにはならないだろうか?


「俺を頼れって」


その温かい言葉に、涙腺が崩壊しそうなのをグッと堪える。


「レイさん…助けてください」


「よく言えました」


満足そうに笑うと、今度は優しく頭を撫でられた。


「よく覚えておけ。
俺はナルの救世主になれる男だから。

ほら」


そう言ってポケットから取り出したのは…。


「前にも担当にデータを消されたことがあってさ。
まぁその時は復旧できたから良かったんだけど。

自分でも管理しとかなきゃなって思ったんだ。
それから俺もUSB持つようにしてんの。

こっからデータをコピーすれば万事解決だ」


私に一筋の光が差し込んだ。


「本当ですか…?」


レイさんはデータを手際よくコピーしてくれている。


「ほら。できた」


手渡されるUSBメモリを大事に受けとる。


「あ、ありがとうございます…。
助かりました」


本当に解決した。
今までの私のウジウジが嘘のように、あっという間に解決した。


「うん。

これからも…頼ってくれて構わない」


少し照れくさそうなレイさんが、とても心強い存在に見える。
だけど、そこに頼ってしまっては、私はレイさんを困らせるだけになるんじゃないだろうか?
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