俺たちの妹・2
「髪の長い人が、彼女と重なったのかな?」

コクン……

「そっか……。また何か言われると思ったんだね」

「……………うん。また嫌な事言われると思ったの。そしたら、息がしずらくなって……ハァハァ」




やばいっっ‼︎

思い出したのが良くなかったのかな……


「美晴、誰ももう美晴の嫌な事言わないから……だから、怖がらなくていいよ。
ゆっくり呼吸しよう……」

背中をさすりながら言葉をかける。



「スー…ハァ…スー…ハァ…」

「そう、上手だよ。嫌な事思い出させちゃってごめんね」


美晴は首を横に振った。


「ひな…にぃは……悪く、ないよ……」


「俺は、美晴の辛そうな顔は見たくないからね」


そう言って、頭を撫でた。

「……………ごめんね」


「謝らなくていいんだよ。でも、美晴ももう怖がらなくていいからね」

「……………うん」


少しでも美晴の中で、怖い存在がなくなればいいんだけど………


美晴は呼吸器系が弱いから、これからストレス以外でも、過呼吸が起きやすくなるかも知れないな………



とりあえず、今回は無事に治って良かった……




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