俺たちの妹・2
少しして彼方が帰ってきた。

「日向、驚いていたけど、大丈夫だって。彩が迷惑じゃないか心配してたけど、彩からの提案だって言っておいたよ」

「彼方、ありがとう」

「でも彩、一つだけ約束して」

真剣な顔で私を見つめる彼方。

「なぁに?」

「みぃを抱き上げることや重たいものは持ったりしないで」

「え?」

「今まではみぃの体重くらいなら持ち上げられただろうけど、彩はもう一人の身体じゃないんだから……。
日向にはまだ言わない代わりに、重たいものを持ち上げることはやめてね」


彼方は心配性だな〜。

でも、それで彼方が安心出来るなら、私は無理はしちゃダメだよね……

「分かった。無理はしないし、みぃちゃんを抱えない」

「…………良かった。彩の事だから、嫌だと思ったら、守らないだろうなと思ってたから……」

「もう、彼方の中での私って、凄く勝手じゃん」

「勝手と言うより、自分の意思があるって思ってるんだけどね」


そんな事言われると恥ずかしい……


「ねぇ、抱えるって抱き上げる事だよね?」

「うんそうだよ」

「支える事は大丈夫だよね」

「…………それくらいならいいよ。みぃも辛いだろうし。でも彩が負担にならない事が前提だからね」

「…………分かった」
< 242 / 612 >

この作品をシェア

pagetop